カナダで起きた客室乗務員ストライキ
2025年8月17日、カナダの航空大手エア・カナダの客室乗務員が労働条件をめぐりストライキに突入しました。争点は長時間労働、賃金水準、職場環境の改善などで、労働組合は数か月にわたって交渉を続けてきましたが妥結には至りませんでした。
政府の出勤命令と背景
ストライキ開始から12時間も経たないうちに、カナダ政府は客室乗務員に対し「即時復帰」を命じました。この強制措置は公共交通機関における「国家的影響」を理由に正当化されています。しかし、労働組合側は「労働者の権利を侵害する前例」と強く批判しています。
旅行者と経済への影響
すでに10万人以上の旅行者が欠航や遅延の影響を受けており、カナダ国内外の航空路線に混乱が広がっています。観光業や物流にも波及が予想され、短期的な経済損失は数億カナダドルに達する可能性があります。
国際社会の視点と反応
国際メディアは、カナダ政府が労働者のスト権を制限する強硬姿勢をとった点に注目しています。フランスや韓国の労働組合関係者からは「国際労働機関（ILO）の原則に反する恐れがある」と懸念が表明されました。
日本への影響
日本とカナダ間の直行便はビジネスや留学、観光で重要な交通路です。今回のストライキによる運航混乱は、夏季休暇でカナダを訪れる日本人旅行者や、在加日本企業の出張者に直接影響を与えています。航空券価格の一時的な上昇や、物流の遅れによる日本向け輸出入品の影響も考えられます。
今後の見通し
政府命令により一時的にフライトは再開される可能性がありますが、根本的な労使問題は未解決です。再びストライキが勃発するリスクも残されており、今後の交渉の行方が注目されます。
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